遠いあなたへ

あなたを毎朝起こそうとする

目覚まし時計とおなじくらい

私はあなたを見つめているのに

 

私がアムステルダムのタバコ屋の

レジ係を知らないくらい

あなたは私を知らない

 

香水の匂いや先を急ぐ靴音や

何かを探す視線や真新しい春の服は

私の肩に触れもせず

 

あなたと同じ太陽に照らされ

影を並べた街路樹さえも

私にとっては恋敵

 

一秒の長さが狂うほど

光が追いつかぬほど

遠いあなたへ

 

 

 

 

 

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