【あ】
ああもうわからない
愛の行方
青いシャツの男
青の壁
赤でも朱でも紅でも
明け方気分
朝の逆光線
朝のごちそう
朝の夢
穴の奥底
アフリカ(セバスチャン・サルガード写真展にて)
あほうが一人
天地の門
雨の中へ
雨のやみかけた夜の森を歩く
雨はまたよどむ
怪しげな男の誘い
ある条件
あるもの
言えないこと
生きる真似
石の仮面
いつかの日のために
今は水さえ
癒されたもの
色とりどりの彩りの我らよ
色のない空
色二色(いろふたいろ)
うちの猫
美しい君の形容詩
うつろ
笑顔の手前で
エチュード
大いなる
大きな火の企て
おおさんしょううおのうた
男が転がっている
おもいだせ
思い出
およぐ魂
折れた魚
俺のベランダの夢
終わりのための家
女と男
【か】
帰れない
輝きよ嘆いてはならぬ
各駅停車
革命なんて
か げ
画精と詩精の会話
風と波に乗るジーナ
風となり光となって外へ
風にさらせ雨に濡らせ陽に照らせ
かぞえうた
悲しみと寂しさと会いたさ
悲しみの名
悲しみよこんにちは
カフェテリア戦争
カフェのイルカたち
壁の向こう Over the Wall
がまのむれ
からすねがいつ
鴉は見たのかもしれない
眼球ふたつ Two Eye Balls
感情の確かさ
機械化のための儀式
畸形から盗むものなどなにもない
兆しはなにを兆すか
技術者たち
昨 日
着古したシャツの効能
君の歌に
君はなぜ泣いている
君 へ
きみをみつけた
休暇明けの東京
共生宣言
兄弟と母親の休日
空調機の支配
朽ち日
苦痛の海
苦 杯
クマの不眠治療法
くれないのうめ
黒いクモ
黒い水にしか
軍人さん
ケーキ食べたい
煙
交差点は五車線で
告 白
午 睡
こっけいな男の退場方法
ことばがはねた
こわくてたまらぬ
壊れたピアノがありました
【さ】
再 会
先取り感覚
殺人者の王国
蛹男の目覚め
淋しい音
さよなら・おわかれ・わすれましょう
さよならはすこしずつ
さらさらと砂になって
残酷な女王
四季に踊れ
自働機械
死に座る
死の椅子はいつも
しみだしてゆくもの
ジャスミン
ジャックの冒険
斜面行
十八ヶ月齢の猫
週末の準備
出 奔
しらない味のあめ
白く爆ぜた雲の真下で
深海魚
新ルール
砂 粒
スプリングコート
せかいよりも
千億万の死者と生者とともに私は
空と石
それはどうして
【た】
大交差点 The Great Crossing
耐熱硝子の器ひとつ
台風ののち
脱走者
小さな塊
地下に孕まれる真珠
地図に書いてある言葉
血肉の詰まった皮袋
月が欲しい
包 む
つばめの子よ
爪先ふたつ
冷たい夜
手 紙
手のこと
天使の囁き
どうしようもない
遠かった街
トカゲだ
時計は午前五時
等々力駅へ捧げる詩
友 へ
虎の一瞥
鳥の骨
【な】
内的爆発
流れだした言の葉
為すべき生存の果てに
なぜ悲しいか
なにもない
なんなんだ今日のこれは
逃げろ
濁り空 Muddied Sky
二十一歳のアリス
猫がそばにいる
猫の不思議な用事
眠らぬ者に捧げる詩
眠る男に蝶が舞い降り A Sleeping Man with a Butterfly
眠 れ
ノートと便箋と言葉
【は】
灰色の穴
はしびろこうと女
始めよう
バス停
春風サラダ
春の熱
ひざこぞう
引っ越し祝い
人差し指のどちらかだ
ひまわり殺し
百科事典
ひよこ豆の行進
不 在
不思議なこと
二子玉川駅の朝の一瞬
二人の願い
冬の日の方程式
プラスチックベンジャミン
古ぼけた椅子一脚
炎
【ま】
曲がり角
真夏の午後
真夏日のスケッチ
まぶしさ Brightness
満月の夜のために
三日月女王
三日月に死す
岬
水と塩の比率
無影の午後二時
命ずる声
毛細血管は愛を語る
脆い怪物
【や】
やがて憎しみは
安らかな落下へ
夕方に血まみれなのは
誘蛾灯
夕日を見る
夢たちよ
夢のうちそと
百合の花が吠える
揺れる夜
よそみのあなた
夜がいちばん暗いころ
夜に壊れるもの
夜の交差点の出来事
夜のローカル線
夜を待つ桜の花
喜びを待つ
【ら】
龍の楽園に疑いの花は咲くか
レースが始まる
【わ】
我が膝に月を
我が猫らんぼうよ(七)
私の家は
私の空
私の老猫
私は走る