俺のベランダの夢

知らない女を殺した夢をみた

俺が脱がしたか女が自分で脱いだか

裸の女が俺のベランダに立っていたのだ

その肌は白く輪郭はゆるやかだった

 

窓をまたいだ俺の片手に一丁の重たいナイフが

片手が女の口をふさぎ片手がのどを切り裂いた

そのまま俺は女を突き落としたのだ

俺のベランダから

 

ぐにゃりとした白いものが

真っ赤な軌跡を描いて遠ざかる

宙を舞う乳房のやわらかさが掌に残る

 

俺は女を愛していたはずだ

夢のなかで俺は

幸福だったのだから

 

 

 

 

 

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