笑顔のちょっと手前の君の表情が好きだった
吸い込まれて一瞬止まったときの
それから一気にわきあがるまでの
その幸せを思い浮かべる幸せが好きだった
それは僕の知るかぎりの幸せで
幸せより幸せかもしれない幸せ
春より暖かい透明な冬のよう
羽根布団より柔らかい結晶のよう
僕は捕まえようとした
逃すまいと身構えた
それなのにそれでもいつも
ああいつも体はしびれてしまい
意識は流れて君のそばへ
気づけば笑顔に解毒された
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