街は底が抜けてしまった
空はただの色紙の薄さ
窓は濡れた染みに
ゆらりと横切る蛾の眼が光った
忙しい昼が
騒がしい夜へ
暗転する
そのすきま
猫たちは身構えて
鳥はよそ見をして
それが通り過ぎるのを待つ
大事なものがばかばかしくなる穴
見たくなくとも放りこまれる穴
灰色の穴
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