街はあたたかくて遠く
空は明るく輝き閉ざされ
追いこしてゆく人々は帰りつき
靴紐を結びなおすうちに誰もいなくなる
公園には犬の足跡がいくつも残され
電柱の上では変圧器がうなってる
風の運ぶ笑い声や怒鳴り声が
私を道の端へと押しやった
街はやはり遠すぎて
私はそこへ行けなかった
私には路傍の石ほどの居場所もなかった
薄暮のころ
街と空の明るさが等しくなるころ
私には影すら射さない
コメントをお書きください
コメントをお書きください