台風ののち

行ってしまった台風に追いつこうと

強い風が大急ぎでかけぬけた夕方

空は光に満たされた

光の粒が風に乗ってやってきた

空の誕生日のお祝いだ

とくべつな光の粒ばかりが招待されて

輝く衣装に着飾って

一粒ひとつぶ手をつないで

通りすがりの白い雲も

北へ向かう渡り鳥たちも

ほほえんでいた

見上げるあなたの笑う頬も

空のお祝いに染まっていた

夕方の空に染まっていた