夕方に血まみれなのは

ひりつく首筋は傾いたままで

頭の重みを肩へと垂らす

どこかの乾いた骨がついに割れ

肺は鎖を引きずっていた

 

人は歩き去り続け

一歩のたびに止まっては消える靴の群れ

震える水面の光みたいに

消え際ついでに皮を剥ぐ

 

夕方に血まみれなのは

物陰という罠のせい

橋を探した川沿いで

 

倒れたら動かなくていい

動けば遠くを見てしまう

もういちどやりなおしになる

 

 

 

 

 

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コメント: 3
  • #1

    oretasakana (金曜日, 16 12月 2011 00:30)

    言いようのない苦しさと辛さと痛みを、なんとかして言い尽くしたかった。まだ足りない。

  • #2

    まる (金曜日, 16 12月 2011 10:13)

    短歌の私の派では、こういう隠喩が使えないので、久しぶりの感じで見ています。
    ただ、この比喩については、よくわかるものが多いです。

    三連目がある種の律を持っているので、あと一行あってもいい気がします。
    「川沿いで」どうしたのだろう。動けなくなったのかな。それとも無理して起き上がったのかな。。。
    最後の連も、もう一行欲しい感じがしますね。

    上の二連はとてもいいと思います。比喩であっても言葉の差し示すものが、しっかりしているのだと思います。
    実体のない、言葉の上だけの比喩は空疎です。

    「物陰という罠のせい」…そこで、何をしたのだろう、何かがあったはず。

    夕方に血まみれなのは
    物陰という罠のせい
    橋を探した川沿いで
    僕はえづきを繰り返す

    上の二連のイメージと、三連頭の「血まみれなのは」にかなり強いものがあるので、下にも何か入れないと足りない。

    「消え際ついでに皮を剥ぐ」は、とてもおもしろい、小気味よいような表現。

    良い詩なので、思い切り考えてしまいました。
    あまりにもうるさい「感想」のようでしたら、セーブしますので言ってくださいね。

  • #3

    夕日知己 (金曜日, 16 12月 2011 11:07)

    私にも読んで理解して考えて感じる時間が必要です。
    追加の一行の力、とか。
    すごい。
    セーブなんてとんでもない、絶対に受け止めてみせますから、これからも思いっきりの故意犯でお願いします。

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