雨はまたよどむ

でこぼこと歪んだ歩道をあふれて

かたちなく流れる雨は

つぶやきながら暗渠へ消えて

残る水たまりはやがてうっすら泥になる

 

泥に滑った誰かが小さく忌々しげに毒づいた

掃除人夫がやってきて

洗い流した歩道の染みの

乾くまでがまるでなにかの弔いだ

 

なぞる跡形もなく

自分の影で代用し

こちらのほうが正しい気がしてくる

 

鋳流した鉛の肉を

雨はそぎ落とし

雨はまたよどむ

 

 

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    oretasakana (金曜日, 16 12月 2011 00:27)

    暗渠。詩のためにだけ生き残っているような言葉だ。

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