私の老猫

猫をみていると猫もみる

楽しげな虫の羽音や騒がしいクラクションに

奪われた視線もやがて戻ってくる

私のもとへ戻ってくる

 

固くなってきた被毛が日差しに温められると

干し草の匂いになる

すこし湿っているかな

抱きしめて鼻をうずめると小さくうなる

 

顔を上げたところを待ち構えていて

私の老猫はぞろりと舐めた

舌のとげがもう鈍って久しい

 

お返しに鼻をぺろりとやってやる

私の老猫はいつもびっくりするのだが

ぐるぐるとのどを鳴らしてくれるのだ

 

 

 

 

 

 

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