雨と混じって
ことばがはねて飛び散った
ゆううつな水たまりに
まばたきに似た波紋を残し
夜の雨は
音と気配だけが伝わる
指揮者を待つ
弦楽器の静けさのよう
終わらぬ書物はない
眠らぬ夜もない
閉じられるだけだ
薄明かりにまたたく蛾のような
きれぎれのことばが
猫に追いかけられていた
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