画精と詩精の会話
古い壁板の木目には画精の気分が描かれていた
戸外に響く赤い頬した小さな鳥の鳴き声は詩精の歌だった
歌が聞こえて空がオレンジ色にさっと塗りかえられたから
赤く染まった風切り音が誘うように奏でられたのだ
夜の都市を光の点描に描いてみせた画精が笑う
薄暗い路地裏に女の涙を浮かべさせた詩精が頷く
描いた龍にまたがって画精は一気に舞い上がり
見上げていた湖に湧き広がる波紋は詩精のくすくす笑いで
湖を抱く画精の腕は峰々の稜線をかたどっていた
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