天地の門

天地(あめつち)の門

 

天地の門の広がり止まず

我らを待ち至りて

何処か限りなく立つ

 

求め来たるを迎え入れ

満ち足り帰るを送り出し

悲しみの足を歩ませ

高らかなる喜びを辿らせ

迷いの盲目の手をとり

目前の頂きに触れさせ

憐なる怯懦の震えを抱きとめ

柔らかなる寝床に眠らせ

 

天地の門の遙けき願いに聞く

天地をあまねく結び終え

天地のひとつとならん

未だ名のないひとつのそこに

どうと倒れて朽ち果てんと

 

大いなる願いのあればこそ

小さき者に願いの叶う

抱かれぬ願いまでをも叶えんと

大いなる門は今も立つ

 

天地の門の神話を知らぬ

一日(ひとにち)が過ぎてゆく

悲しみ迷い怯え涙し

過ぎてゆく

 

天地の門は広がり止まず

神話の終わりまで立つ

 

 

 

 

 

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