龍の楽園に疑いの花は咲くか
一対の渦と龍の双眸が楽園を画す
偏在と不在が点滅をくりかえし
楽園は見え隠れする
迎えるようでもあり
楽園は試してもいる
楽園の土壌は完璧なのだが
疑いの種子は殺し切れない
土ひとかたまりを盗みだし
私は花を咲かせてやった
三つのでたらめな原色の花
色の失せた蛇が現われ
私の花を嘗めていた
夢をみはじめた私を眠らせ
蛇が去ったあとに花はなかった
覚めても花の姿を思い出せない
花は楽園に迎えられ
試された私は望み損ない
湿った土に蛇の残した跡形をのみ
そのまま鋳型に写しとり
我が身を溶かして鋳流した
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